安曇野の美しい自然とゆっくり流れる時間の中でスローライフ

by azumino-macro

そば打ち 楽座


浅間温泉街にありながら閑静な住宅地に隠れ建つお蕎麦屋さん「楽座」。

「楽座」とは珍しい名前ですが、日本の近世(16世紀から18世紀ごろまで)において
織田信長、豊臣秀吉や各地の戦国大名により、城下町などの支配地の市場で行われた経済政策のことで、
「楽」とは規制が緩和されて自由な状態となった意味で、英語では、freeを意味するのだそうな。

また、「座(ざ)」とは、平安時代から戦国時代まで存在した主に商工業者や芸能者による同業者組合のことで、朝廷や貴族・寺社などに金銭などを払う代わりに営業や販売の独占権などの特権を認められました。
代表的なものとしては、京都においては後の西陣の源流となった大舎人の織手座や、祇園社の綿座・錦座、
北野社の麹座、山城大山崎の油座、摂津今宮の魚座、鎌倉の材木座、博多の油座などがあります。

「楽座」とは、ちょっと洒落た店名ですね^^

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中に入ると、お昼時にも拘らず、お客さんは一人だけ。(お天気が悪かったからでしょうか^^;?)
メニューは、ざるそばと天ざる(天ぷらそば)くらいで、少ないところや、
店主一人で店を切り盛りしているところなどは、以前にご紹介した「はや田」によく似ています^^;
(ここの店主もひょっとして、「こだわり派」?^^;)

お蕎麦が茹で上がる間、各テーブルに置いてある「楽座通信」なる店主作成のミニ新聞?のような小冊子が
目に留まったので、読んでみる事に。

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なかなか意味深いことが書かれています。
「楽座通信」は、店主がお客がいない暇な時間にワープロ(!)でポツポツ作成しているそうで、
この、タオ、老子の唱えた道教の陰陽の考えは、その後マクロビオティックの陰陽論のもとになりました。

店主のプロフィールによると、出版社で蕎麦の本を担当したことがきっかけで、そば打ちになったそうで、
それまでの人生において、このタオの言葉と重なる部分があったのかもしれません^^;

また、「そば屋はこだわっていないのに、客がそば屋にこだわっている」と書いてあったのには、
思わず苦笑^^;

そう言えば、店内にはBGMでオペラが流れていました!
先日ご紹介した安曇野のちょっとこだわりのお蕎麦屋さん「大梅」にもジャズが流れていたし、
最近こういうタイプのお蕎麦屋さんに行くことが多いような・・・?^^;(たまたまでしょうかねぇー?)

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お蕎麦は、信州産と北海道産の一番粉だけで打つ二八で、つるっとしたのど越し。
何より嬉しいのは、そばつゆが辛めで、きりっとしまっていること。(砂糖が入っていないのは素晴らしい!)
天ぷらも、薄衣でサクッとあがっていて油っこくありません^^

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帰りがけに、「そばつゆが珍しく辛口ですね」と告げると、
嬉しそうに「お客に迎合すると甘口になってしまうんですよねー」と一言。
なるほどねぇー。(やっぱり、こだわり派?^^;)

店主の独り言を書き留めたかのような「楽座通信」の続きを読みに、またお蕎麦食べに来ましょうかねぇ?^^
(私、お店にはこだわりませんが、そばつゆには少々こだわりが・・・・?^^;)
by azumino-macro | 2010-07-15 23:24 | そば三昧