安曇野の美しい自然とゆっくり流れる時間の中でスローライフ

by azumino-macro

拾ケ堰-あずみ野やまびこ自転車道

「安曇野に拾ケ堰ができた奇跡を後世に残したい」ということで、
「RYOと彩の安曇野水物語」という映画が安曇野市の協力を得て制作され、
今週末の16日に穂高交流学習センター「みらい」で上映会が開催されることになっています。

今日は、その安曇野の歴史を変えた「拾ケ堰」をご紹介したいと思います。

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その昔、安曇野は、地下に水がしみ込んでしまう乏水地域で(大昔は湖だったと言われています)
そのため、古くから農業用水に恵まれず、耕作地に適していなかったため、
村民の生活は困窮を極めていました。

江戸時代の1800年頃、庄屋が中心となり農業用用水路である堰の開削を計画したのですが、
その堰の完成までには、大変な苦労と犠牲があったと伝えられています。

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拾ケ堰(じっかせぎ)のじっかは、「十ケ」という意味で、
10の村を巡って流れたため、名付けられたと言われています。

以前から一度は、「拾ケ堰」に沿って整備された「あずみ野やまびこ自転車道」を
始点から終点まで自転車で走ってみたいと思っていました。
昨年は、総距離の約1/3走っただけでした^^;)

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暑くても寒くても15kmの距離を自転車で走るのは大変そうなので、
北アルプスがよく見える春の晴れた日に実行することにしました。

まずは、拾ケ堰は奈良井川から取水しているということなので、
地図を頼りに取水口を探します。

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国号19号線沿いに流れる奈良井川のこの水門の横に
拾ケ堰の取水口、始点があります。
(梓川の水量は、季節によって変動が大きかっため、
 水量が1年を通してあまり変化のない奈良井川の方が、
 取水するのにふさわしいということだったようです)

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ここから取り込まれた水は、一旦梓川の下に掘られた穴を通って、梓川を横切り、
遥か15km先にある烏川に流れ込む排水口目指して堰を流れていきます。

しばらく松本市島内の田園地帯を流れた後、
ラーラ松本(ゴミ焼却所)辺りで一度地下に潜り、
梓川の対岸にある排出口まで梓川の下に掘られた穴を通って梓川を横切っていきます。

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取水口より排出口の方が標高が高いそうですが、
これは標高の低い所から高い所へ水を移動させる時に有効な
逆サイフォンの仕組みを利用した押い水という方法だそうです。

昔は、このような地下を通る穴を掘ることはできなかったため、
梓川を土塀で固めて横堰を作り、水を流したそうですが、
梓川の水が増水すると、すぐに横堰は流されてしまい、
修復するのに大変な苦労があったそうです。

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そして、ここで、再び地上に出て、標高差わずか5mの傾斜を15km先の烏川合流点まで
途中、多くの用水路に農業用水を供給しながら、ゆっくりと流れていきます。

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これは、平成になってから堰の水を梓川の下を通って流すために、
逆サイフォン用の穴を掘った時に使用したドリルの先端だそうです。

長野県道441号穂高松本塩尻自転車道線、通称「あずみ野やまびこ自転車道」は
松本市を経由して塩尻市本山宿から、この地点で拾ケ堰に沿って烏川まで走っています。
(本来は、起点は烏川で、終点が本山宿となっているようですが、
 北アルプスの風景を眺めながら走りたかったので、今回は起点に向かって走りました。)

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安曇野市豊科地区を流れる拾ケ堰。
安曇野市堀金あたりまでは、水は西側の北アルプスに向かって流れていくようで、
とても不思議に思えます。

一見、水は標高の高い方へ流れているように見えますが、
実は、拾ケ堰は、測量により同じ等高線上(標高)にある地点を掘削して作られたそうです。
(昔の測量機器は簡単なものであったようですが、その技術力と知識の高さには驚きます)

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ゆっくりと流れる水面に、雪をかぶった北アルプス(常念岳)が
水鏡のように写って、とても綺麗ですね^^

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ここは、有名な桜の撮影スポットですが、
堰に沿って植えられた桜はまだ開花していませんでした。

しかし、このところの暖かさで今週末までには開花し、
来週には、満開の桜をバックに北アルプスの美しい風景を撮影することができそうですね^^

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堀金を過ぎると、堰は直角に急カーブし、穂高地区を抜け、烏川にある放流口を目指します。

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ここが拾ケ堰の終点、烏川との合流地点です。
ここに来ると、あんなにゆっくりと流れていた水が勢いよく烏川に流れ込んでいます。

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この先、烏川は穂高川に合流し、そして穂高川は犀川に流れ込みます。
ここまで、15km、途中休憩を入れて、4時間余り、何とか完走しました!^^
(ほとんど往復した訳ですから(30km?)、長かった~^^;)

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安曇野の風に吹かれながら、ゆっくりとペダルをこいでいると
不思議と爽快な気分になってきます^^

これからの季節、美しい北アルプスの山並みを眺めながら、
拾ケ堰を巡る自転車の旅は、きっと忘れがたい素晴らしい思い出となることでしょう^^

自転車は、穂高駅前の「ひつじ屋」か「しなの庵」でレンタルすることができます。
by azumino-macro | 2011-04-14 22:46 | 安曇野あれこれ