牛伏寺と牛伏寺断層
2011年 07月 02日牛伏寺断層は、今後数百年間にM(マグニチュード)8クラスの大地震を引き起こすとの説もあり、
このことは、地震の被害のニュースと共に大きくメディアでも取り上げられました。
これは、6月21日に行った高ボッチ高原から偶然撮った牛伏寺断層の周辺地区の写真です。
ほぼ中央に見える小さな丘陵が、中山霊園のある中山(836m)で、
その右端向こうに見える丘陵が、アルプス公園などがある鳥居山(743m)です。
その間を中山を回り込むように流れるのが、牛伏寺川で、
写真の中央に写っているのが、かすかに見てとれます。
地層が露出している部分のトレンチ調査やボーリング調査の結果、
この牛伏寺川に沿って、中山丘陵側の地区に走っている(牛伏寺)断層が、
500~1100年周期で活動していると考えられ、
最新の活動期は約1200年前の762年あるいは841年と考えられています。
(地震年表によると、8~9世紀にかけて、日本列島は、数々の大地震に見舞われたようです)
牛伏寺川の川上には、牛伏寺(ごふくじ、うしぶせでら、と呼ぶこともあるようです)があります。
牛伏寺の由来は、この案内板に書かれている通りで、
この地に倒れた牛を弔うためにこのお堂が建てられた、ということのようです。
牛堂の中には、左右、赤と黒の牛の間に、阿弥陀像が安置されています。
石段の向こうに見えるのは山門です。
その奥にある如意輪堂
そして工事中の仁王門をくぐると、観音堂があります。
(仁王門は、工事中だったので、写真はUPしません)
そして、この牛伏寺のすぐ近くに、ハイキングコースやキャンプ場などが整備されている
牛伏寺砂防ダムがあります。
ここには、国登録有形文化財である1898(明治31)年起工、1918(大正7)年竣工の
フランス式階段流路があります。
延長141メートル の石張りの水路に19段の段差が構築されていて、
明治時代に工事されたとは思えないほどの完成度で、今日も当時のまま使われているのはさすがです。
そして、その先には、砂防ダムがあり、ダムの先は牛伏寺川となって、
松本市内に流れ込み、その後、田川に合流し、最終的に奈良井川に合流します。
牛伏寺断層は、この牛伏寺川に沿って7kmにわたり走っているそうです。
今回の地震で大きな被害を受けたのも、この地区のようで、
その向こうにそびえる北アルプスも大昔の地殻変動の結果とは言え、
牛伏寺断層の上に広がる地区が、住宅密集地であることを考えると、
もうこれ以上大きな地震は、起きないで欲しいと願うばかりです。